「生成AIが良いらしい」とは聞くけれど、何から手を付ければいいか分からない。
ツールを契約してみたものの、気づけば誰も使っていない。
この記事では、IT担当者がいない中小企業が生成AIを業務で使い続けられる状態にするまでの手順と、費用の目安をまとめます。

中小企業での生成AIの使いどころ

生成AI(ChatGPT・Claude・Gemini・Microsoft Copilot など)は、文章を読んだり書いたりする仕事が得意です。中小企業で効果が出やすいのは、次のような「毎回同じ形で発生する作業」です。

  • メール・文書の下書き:お礼状、案内文、提案書のたたき台
  • 議事録・メモのまとめ:会議の文字起こしから、決まったこと・宿題を抜き出す
  • 見積書・報告書の定型作業:決まった書式への転記、説明文の作成
  • 調べものの下調べ:制度や用語の概要をつかむ(最終確認は必ず一次情報で)
  • 社内の問い合わせ対応:社内規程やマニュアルをもとにした回答の下書き

反対に、正確な数字の計算や、最新の情報が必要な判断を AI に任せきりにするのは向きません。AI の答えは「下書き」として扱い、最後は人が確認するのが基本です。

導入でつまずきやすい3つのこと

◆ ツールを契約したものの、誰も使っていない

いちばん多い失敗です。「便利そうだから」で全員分を契約しても、どの仕事に使えばよいかが決まっていないと、数週間で使われなくなります。先に「どの作業に使うか」を決めるのが近道です。

◆ AI に社内の情報を入れてよいのか、判断できる人がいない

お客様の名前、見積金額、契約書の中身などを入力してよいのか。ここが決まっていないと、慎重な人は使わず、気にしない人は何でも入れてしまいます。どちらも困ります。

◆ ツールが多すぎて、どれを選べばいいか分からない

ChatGPT・Claude・Gemini・Copilot はそれぞれ得意分野や料金体系が違い、しかも頻繁に変わります。「有名だから」ではなく、扱う情報と使い方から選ぶ必要があります。

導入の5ステップ

◆ ステップ1 業務の棚卸し

まず、社内で「時間がかかっている文章の仕事」を書き出します。部署ごとに 3 つずつ挙げるだけでも十分です。その中から、毎週発生していて、失敗しても取り返しがつくものを最初の対象にします。

◆ ステップ2 ツールを選ぶ

  • Microsoft 365 を使っている会社:Word・Excel・Outlook・Teams の中で使える Microsoft Copilot が候補になります
  • 文章の下書きや要約が中心:ChatGPT・Claude・Gemini のいずれも対応できます。実際の業務の文章で試し比べてから決めます
  • どれを選ぶ場合も:個人向けの無料版ではなく、法人向けのプランで、入力した内容が AI の学習に使われない設定・契約になっているかを確認します

◆ ステップ3 社内ルールを決める

入力してよい情報・いけない情報の線引き(次の章)と、「AI が作った文章は必ず人が確認してから外に出す」というルールを、A4 1 枚程度の社内ガイドラインにまとめます。長い規程より、すぐ読める短いものの方が守られます。

◆ ステップ4 実際の業務で研修する

一般的な使い方の説明より、自社の実際の文章を使って、その場で手を動かしてもらう形の方が定着します。部署によって使いどころが違うため、部署ごとに内容を変えると効果的です。

◆ ステップ5 定着させる

導入して 1〜2 か月は、「うまくいった使い方」を社内で共有する場を作ります。誰か 1 人がうまく使えるようになると、その使い方が自然に広がります。逆に、困ったときに聞ける相手がいないと、ここで止まってしまいます。

AIに入れてよい情報・いけない情報

社内ガイドラインの中心になる部分です。会社によって線引きは変わりますが、出発点として次のように分けるのがおすすめです。

入れてよい公開済みの情報(自社サイトの文章、製品の一般的な説明)、一般的な知識についての質問、個人や会社が特定できない形に書き換えた文章
条件付き社内の資料・議事録・見積の内容。法人向けプランで、学習に使われない設定になっている場合に限るなど、条件を決めて使う
入れないパスワード・ID などのログイン情報、マイナンバーや健康情報などの個人情報、取引先との契約で外部に出さないと約束している情報

迷ったときは「この文章を、社外の人にメールで送ってよいか」で判断すると分かりやすくなります。送れないものは、AI にも入れないのが安全です。

費用の目安

  • ツールの利用料:法人向けプランは、1 人あたり月額数千円程度が目安です(ツール・プラン・契約人数によって変わります。最新の料金は各社の公式ページで確認してください)
  • 導入支援を外部に頼む場合:業務の棚卸し・ツール選び・社内ルール作り・研修までを依頼する形が一般的です

アップ・フィールド・ブラザーズの生成AI導入支援は 50,000円(税別)〜です。社員数・導入の規模・研修の日数により変わります。AI サービス自体の利用料は別にかかります。月額プランをご契約中の場合、導入後の運用のご相談は月額料金の範囲で対応します。

外部に導入支援を頼むときのポイント

  • 特定のツールを売る立場でないか:販売代理の都合で選ばれたツールが、自社に合うとは限りません
  • 社内ルール作りまで含まれているか:ツールの設定だけで終わると、ステップ3でつまずきます
  • 自社の実際の業務で研修してくれるか:一般的な使い方の説明会だけでは定着しにくいです
  • 導入後に相談できるか:使い始めてからの「これはどうすれば?」に答えてくれる相手がいるかどうかで、定着率が大きく変わります

当社は特定のベンダーに縛られない中立的な立場で、業務の棚卸しから定着まで伴走します。くわしくは生成AI導入支援のページをご覧ください。

よくある質問

AIについて何も分からない状態でも導入できますか?
はい。「何から始めればいいか分からない」という段階からの導入がもっとも多いです。まず社内で時間がかかっている文章の仕事を書き出し、効果が出そうな作業を 1 つ選ぶところから始めます。
無料版のChatGPTを業務で使ってもいいですか?
おすすめしません。無料版や個人向けのプランでは、入力した内容が AI の学習に使われる設定になっている場合があります。業務で使うときは法人向けのプランを選び、学習に使われない設定・契約になっているかを確認してください。
社員が使ってくれるか不安です。
最初から全員に広げるより、使いどころを 1〜2 個に絞り、自社の実際の文章を使って研修するのが効果的です。うまく使えた人の使い方を社内で共有すると、自然に広がっていきます。
導入支援の費用はどれくらいですか?
アップ・フィールド・ブラザーズの生成AI導入支援は 50,000円(税別)からです。社員数・導入の規模・研修の日数により変わります。AI サービス自体の利用料は別にかかります。